KDDI 2期連続増益 スマートバリューが牽引

台風も過ぎ去り、夏のような陽気となった今日この頃。皆様いかがお過ごしでしょうか。

auを運営するKDDIの決算が発表されたとのことですが、夏の陽気のように景気のいい状況となっているようです。今日はそんなお話。

2015年3月期決算について

2015年3月期の連結営業収益は、前期比で5.5%増加し、4兆5,731億円となりました。

また、連結営業利益は、パーソナルセグメントにおけるモバイル通信料収入の増加とau販売手数料の削減効果が、au WALLET等の成長に向けた先行コストやその他費用の増加を吸収し、前期比11.8%増の7,413億円となりました。

さらに、2016年3月期の連結営業利益計画は、同期より任意適用する国際財務報告基準 (IFRS) で8,200億円を見込んでおり、 2014年3月期から2016年3月期までの中期経営目標である「3期連続営業利益2桁成長」の達成に向けて注力してまいります。

http://news.kddi.com/kddi/corporate/ir-news/2015/05/12/1115.html

先日発表されたNTTドコモの決算が減収減益と不調だったこととは対照的に、KDDIは増収増益とかなり好調となっています。

2012年より提供している固定回線とのセット割「スマートバリュー」による囲い込み戦略が功を奏し、解約率の低下につながっていることが大きな要因として挙げられています。

また、ケーブルテレビサービスが対象となったことによる傘下CATV各社での販売拡大の効果も大きいようです。

引用文中にもありますが、au walletサービスインに伴う各種キャンペーン施策にかかるコストは、販売拡大やau販売手数料(≒代理店へのキックバック)の削減効果によって吸収されていることも増益へと繋がっているようです。

auでは、今後とも囲い込み戦略の一環として、au IDや決済基盤を用いた顧客向けサービスの拡充を図っていくとのことです。

「マルチユース」の取り組みでは、KDDIが展開する「auかんたん決済」「au WALLET」の2つの決済プラットフォームを活用し、現在の付加価値事業の中心となっているオンラインサービスに加えて、金融サービスとコマースの2事業領域を強化、「付加価値経済圏」を拡大する。これにより、auかんたん決済、au WALLETの流通額を2016年3月期に前期の倍に相当する8600億円に拡大する計画だ。付加価値ARPAも19％増の500億円とする。

KDDI決算は2期連続の2桁増益、ARPUに代わる新指標ARPAを導入(businessnetwork.jp/)

auは各社に先んじて、au wallletを基幹とした決済基盤の整備に注力してきました。また、じぶん銀行をはじめとして、通信業やネットサービスの枠を超えたサービスに進出し、au顧客に対し優遇するなどコラボレーションを進めています。

先日、ライフネット生命との資本提携を発表しており、生命保険分野への進出も進んでいくことでしょう。

また、2016年の電力小売り自由化を見据えて、KDDIは電力系光ファイバー業者と関係が深いこともあり、電力各社と交渉が進んでいると見て間違いないでしょう。

先の決算で不調だったdocomoでも、オンデマンド動画配信サービスは好調だったようで、同様の他社とのコラボレーション事業を推進し、さらにはPontaとの提携により決済基盤の整備に向けて動き始めています。Softbankも、Tポイントとの提携によるSoftbank Cardの発行や、東京電力との業務提携の発表など、追従する構えです。

携帯キャリアは、社会インフラの一部として生き残る戦術を採っていくようです。

よりシームレスに様々なサービスを受けることができる未来が、もうすぐやってくるのかもしれません。