携帯キャリア各社増収増益 付加価値事業に注力
2015/08/15
夏も盛りとなり、盆休みという方も多いのではないでしょうか。
携帯業界も盛りの時期となっているようです。
NTTドコモ
NTTドコモは、これまでもお伝えしてきた通り、不振が続いていました。昨年度決算では、新料金プラン導入やnottvの減損処理の影響で減収減益となっていました。
第一四半期はどうだったのでしょか。
NTTドコモ2015年度1Q決算は4年ぶりの増収増益――スマートライフ事業の好調が寄与
NTTドコモは2015年7月29日、2015年度第1四半期決算を発表した。営業収益は前年同期比0.1%増の1兆769億円、営業利益は同12.3%増の2354億円と4年ぶりの増収増益となった。
「月々サポート」の影響が続いている一方、音楽配信や動画、書籍などの「スマートライフ」事業が順調に拡大、また2台目需要としてタブレットの販売が好調であることが増益に寄与した。
オペレーション関連も順調で、純増数は前年同期比2.0倍の94万契約、新料金プラン「かけホーダイ&パケあえる」は2100万契約を突破、「ドコモ光」の累計申込数は60万などとなっている。このほか、MNPは前年同期比で3分の1の3万件の転出超に改善するなど「14年度に築いた礎をもとに、順調に進捗している」と加藤薫社長は語った。
http://businessnetwork.jp/Detail/tabid/65/artid/4101/Default.aspx
今決算では、4年ぶりの増収増益となるなど、かなり好調なようです。ドコモ光の導入や、音楽・動画などのコンテンツ事業(同社は「スマートライフ事業」を標榜)が好調なようです。
月々サポートが非常に多かった時期の契約が満期を迎えているのも関係しているのではないかと思います。
また、シェアパックをはじめとしたデータ通信量の分け合いが可能となったことにより、タブレットなどの二台目需要が旺盛になった点も見逃せないでしょう。
MNP転出入では、前年同期比1/3の転出超過となり、一時期の一人負け状態からは改善がみられているようです。これは、最近のiPhone特価施策や、端末購入サポート導入によるMNP特価施策導入の影響が強いでしょう。
また、今後とも大きな影響を与えるであろう、MVNO利用者の動向も注目されます。
au(KDDI)
auでお馴染みのKDDIは、スマートバリューの好調により増収増益が続いています。今期はどうだったのでしょうか。
KDDIの2016年3月期第1四半期決算は増収増益――総合ARPAが増益に寄与
KDDIは2015年8月7日、2016年3月期第1四半期(2015年4~6月)決算を発表した。売上高は前年同期比7%増の1兆466億円、営業利益は同19%増の2310億円と増収増益だった。四半期ベースで、営業利益は過去最高を記録した。
通信ARPA収入と付加価値ARPA収入を合わせた総合ARPA収入が同179億円の増収となったことが営業利益の伸びを牽引した。
タブレットの販売が好調で、累計契約数は同2.3倍まで拡大、1人当たりのモバイルデバイス数は1.38台となった。田中孝司社長は「モバイルデータ通信の伸びがARPA増に寄与している」との見解を示した。
http://businessnetwork.jp/Detail/tabid/65/artid/4118/Default.aspx
KDDIは今期も増収増益ということで、営業利益は過去最高を更新しています。
他社に先駆けて進めているau経済圏の導入が進捗しており、また昨年度足を引っ張ったau walletでは、一連の施策が終了したこともあり、決済手数料の増収に繋がっています。
MNP転入では、多額のキャッシュバックの成果もあってか転入超過を独走していおり、顧客・ARPAは順調に伸びていると言えるでしょう。
シンプルでわかりやすい料金プランが利用者に対して受けているのもあるのではないかと思います。
また、ミャンマーでの海外展開が順調ということで、こちらも増収増益に寄与しているようです。
伸びる収益のさらなる還元を期待したいですね。
SoftBank
前期では国内の設備投資を一段落させ、第二のステージだとと語っていたソフトバンク。ロボットのPepperや海外企業への投資など、多角経営を進めているソフトバンクグループの今期はどうだったのでしょうか。
ソフトバンクの売上高は前年同期比9.8%増の2兆1391億円、営業利益は7.6%増の3436億円の増収増益
ソフトバンクの物販売上増加と、円安による差益で米Sprintの売上が伸びたことが要因
8月6日には、ソフトバンクグループが2015年度第1四半期決算を発表した。その内容を見ると、連結業績の売上高は前年同期比9.8%増の2兆1391億円、営業利益は7.6%増の3436億円となり、こちらも増収増益となっている。売上増の要因は、ソフトバンクの物販売上増加と、円安による差益で米Sprintの売上が伸びたことが主因となっているようだ。
ソフトバンクが新たに定義した主要回線(スマートフォン、フィーチャーフォン、タブレットなど)の、今期の契約数は2万の純増となった一方で、PHSや通信モジュールなどを含んだ移動通信全体の純増数を見ると、約46万9000もの大幅な純減となっている。
ソフトバンクは増収増益で順調なようです。
今後アメリカSprintの買収が吉と出るか凶と出るかが注目ですが、ソフトバンクのことなので何かしら考えがあるのでしょう。
国内の通信事業には見切りをつけ、海外のEコマース企業や配車アプリ、決済関連企業を買収しているので、今後も目が離せないですね。
非常に野心的でベンチャー企業のようなソフトバンク。グローバル企業になりうるのではないかと思います。
KDDIに追従する形で付加価値事業への進出を強める携帯各社ですが、各社とも結果が数字に表れていると言えるでしょう。
まだ数字となっていないSIMロック解除義務化や、今後見直されるであろう2年縛りといった経営環境の変化が、どんな結果をもたらすのか、今後とも注視して参ります。
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