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ビックカメラがdocomoの一次代理店になるというお話

      2014/11/12

読者の皆様には、携帯業界にだいぶ詳しいという方も少なくないのかもしれません。業界のかなりディープな事情の一つに「代理店制度」というものがあります。少々古い話題ですが、今日はそんなお話。

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ビックカメラ、ドコモの一次代理店へ

ビックカメラ傘下で、携帯販売業務を行っている株式会社ラネットは、ドコモショップを運営するネプロジャパン傘下の三社を12/1付けで買収すると発表しました。
http://www.nikkei.com/markets/kigyo/ma.aspx?g=DGXLASDZ05H9Y_05112014000000 (日経11/5)
ビックカメラはラネットを通じて、傘下であるコジマなどで携帯販売を行っており、auやsoftbankの代理店ではありますが、これまでdocomoの一次代理店ではありませんでした。今回の買収を通じて、ビックはdocomoの一次代理店となり、より有利な条件で端末の仕入れ等ができるようになる、というお話です。
※コジマでは現在docomoを取り扱っている代理店はITXです。

さて、携帯界隈にかなり精通している読者の皆様でも、首をかしげる話かと思います。

「え、だってビックでdocomoの契約してるよ?」

そう思うかもしれません。そこで、まずはdocomoの代理店制度について、知っておく必要がありそうです。

 

一次代理店って何?

携帯キャリア各社は、基本的に顧客に直接携帯販売はしていません。代理店を通して顧客と契約し、顧客にサービスを提供するという体制となっています。

みなさんご存じのキャリアショップ。基本的には代理店が運営しており、キャリアが直接運営するケースはかなり例外的です。

さて、そんな代理店ですが、色々と事情があるようです。

auやsoftbankでは、キャリアと直接取引する代理店がほとんどです。比較的小さな会社でもキャリアと直接取引し、ショップ運営に携わっているようです。

一方docomoは、積極的に代理店を増やさない方針なのか、90年代に代理店となった、商社系や端末メーカー系の大手代理店通してキャリアと取引するスタイルの代理店がかなり多く存在しているようです。このように、キャリアと直接取引する代理店を「一次代理店」、一次代理店を通してキャリアと取引する代理店を「二次代理店」と呼ばれています。さらのその二次代理店と取引する代理店……というものも存在するようです。

キャリアと直接取引する一次代理店が、キャリアショップを運営しています。もしキャリアショップに行く機会があったら、店のどこかにかならず表示してある「古物商標示」を探してみましょう。「機械商」などと書かれている青いプレートです。そこに、そのショップを運営している代理店名が書いてあります。

巷に溢れるケータイショップ。その多くは、auやsoftbankでは一次代理店、docomoでは二次代理店として営業しているケースが多く見受けることができます。

そして、それは巨大な家電量販店でも例外ではありませんでした。

 

家電量販店の代理店事情

巨大かつ、巨額の売り上げを誇る家電量販店ですが、docomoの代理店という点で着目すれば、安泰とは言えないようです。

例えば、ヨドバシカメラの携帯コーナーでは、docomoが大手商社伊藤忠系のコネクシオや兼松コミュニケーションズが一次代理店として、auでは大手商社系ティーガイアが契約業務を行っています。

量販店で契約をしたことがある方であれば覚えがあるかもしれませんが、量販店では携帯の契約を行うスタッフとレジを打つ店員が違う場合が多いでしょう。これは、契約をするのは代理店の社員、レジを打つのは量販店の社員という棲み分けが行われているためです。

大手量販といえども、自社が一次代理店として契約業務を行うケースは非常に稀です。

例外的に、携帯業界の黎明期から販売を行っていたノジマは、自社が一次代理店となってケータイコーナーを運営している他、docomoショップの運営を行っています。ノジマでは、契約を行ったスタッフがそのままレジを打つという光景が珍しくないようです。

 

将来の展望のような話

ビックカメラは、ソフマップやコジマ、さくらやを買収し、これまでの駅前店舗に加え郊外型店舗を増やすことに成功しています。これにより、店舗数からなるスケールメリットを享受することができるようになったと考えられます。規模や売り上げが大きくなれば、より有利な条件で端末を仕入れたり、より多額の販売報奨金を受け取る可能性が増えるということです。

つまり、キャリアと直接取引するメリットがかなり大きくなります。

買収後は、自社のケータイコーナーを子会社の一次代理店に運営させるとによって、より幅広い施策を打つことが可能となるでしょう。また、一次代理店となることによってキャリアショップの運営が可能となりますので、ショップインショップのような形で多様な手続きが可能なdocomoコーナーのようなものを、ビックカメラやコジマの店内に作る、といったことも可能となります。

ビックカメラグループがどのようなケータイコーナー作りをするのか、期待したいと思います。

よりリーズナブルに携帯を手に出来る時代の訪れを願うばかりです、

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