端末メーカーが自立へと向かっていく話
現金とともに携帯端末が配られることが日常と化している今日この頃、情報感度の高い皆様はいかがお過ごしでしょうか。
栄華を極めているかに見える携帯業界ですが、そう簡単にもいかないようです。
格安スマホ 国内電機メーカー参入の先は?(TV東京)
格安スマホに参入した楽天とイオンが、国内メーカー製スマートフォンを投入するということです。国内メーカーは、既存キャリアとの蜜月の関係によって、キャリア主導によって端末開発をしてきていただけに、かなりエポックメイキングな出来事であると注目しています。
かつてガラケーの時代から、キャリアが要求仕様を提示し、端末メーカーがそれに沿って開発・生産するというキャリア主導の開発モデルが続いてきました。端末メーカーは、作った端末をキャリアが全て買い取ってくれるため、確実に開発費を回収できるというメリットがありました。
そしてそれは、スマホ時代になっても続いていきました。auのIS0xシリーズなどが筆頭と言えるでしょう。
しかし、iPhoneの登場と上陸によって、状況は大きく変化していきます。端末メーカーのブランド力を武器に、これまでキャリアが主導だった力関係を、appleは逆転させてしまいました。
そうした力関係の変化は、キャリアの端末戦略において大きな変化となって現われました。
iPhoneの販売で取り残される形となったdocomoが取った「2トップ」戦略。これによって、サムスンとSony以外の端末には十分なプロモーションや販促費の投入がされなくなり、端末メーカー側も厳しい状況に立たされ、淘汰されることとなったのでした。
さて、そのような状況で、大手キャリアの看板を背負わない販路の開拓は、自然な流れだったとも言えるでしょう。
2015年5月以降より、総務省はキャリア各社にSIMロック解除を義務化するという報道が聞こえています。しかし、いわゆる白ロム市場において流通しているのは、様々なルートから流れてくるキャリア版端末の新品同様品や中古品、電波法上やや難のある輸入端末が大半です。SIMフリーiPhoneが日本で購入できるようになったのも、ここ最近の話です。
総務省の狙い通り、キャリア間乗り換えの流動性を高めたり、格安SIMの普及による通信料金の負担減を達成することは現状難しいでしょう。
しかし、MVNO各社の台頭によって、SIMフリー端末とのパッケージ商品は一般化のきざしがあり、一般的な家電量販店でも目にすることが多くなってきました。量販店でハイエンドからローエンドまで幅広いSIMフリー端末が、それなりの価格で購入することができるようになれば、かなり手頃に携帯電話を使うことができるようになるのではないでしょうか。
携帯界隈の未来は、国内端末メーカーの大手キャリアからの自立にかかっているといっても過言ではないのかもしれません。
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